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衝撃のレポート10件(クリックして下さい) |
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(上写真)ポリクロロジベンゾパラジオキシン(2,3,7,8-TCDD)
一般にダイオキシンと呼ばれるものの中心的物質。なかでも2,3,7,8-TCDDはダイオキシン の仲間で一番の猛毒を持つ。 ダイオキシンの量という場合はこの2,3,7,8-TCDDの量に置き換えた数値を示すことが多い
。
このビンにはいっている200gのダイオキシンは阪神大震災で焼却された廃材 48万トン分から発生する量に相当する。 |
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和歌山県橋本市(民間産業廃棄物処分場) |
周辺海域の魚介類からダイオキシンが検出
瀬戸内海に浮かぶ豊島の西端には、78年から十なん年間にわたり、50万トンもの産廃が 不法投棄された。現場は国立公園の区域内に位置。産廃や土壌、水からは、鉛、水銀、砒素、
有機塩素系化合物など、様ような有毒物質が高濃度で検出された。焼却灰などを含む産廃物層 から検出されたダイオキシンは一グラム当たり3万9000ピコグラムと、国内最悪レベル。
海の底土や牡蠣からも検出された。処理業者(90年に倒産)は事業を「ミミズの養殖」と 偽って島に進出、産廃投棄のほか、シュレッダーダスト(自動車の破砕くず)に廃油や廃溶剤
をかけて野焼きも行っていた。住民は苦情や反対陳情を繰り返したが、90年11月に兵庫県警 が廃棄物処理法違反で業者を摘発するまでの間、県は不法投棄を黙認。住民は93年11月、
産廃撤去と損害賠償を求め、県や業者等を相手に国に公害調停を申請。翌年、国の公害等調整 委員会が2億3600万円をかけて大規模な調査を行った結果、先に挙げた汚染の実態が明らかに
なった。97年7月、県が主体となり、廃棄物を高温融解などで無害化して島外に撤去すること で合意。現在は専門家らの技術検討委員会が具体的な処理法を検討中。上に戻る |
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茨城県稲敷郡新利根町(城取清掃工場周辺) |
地域住民の血液から高濃度のダイオキシンが検出
竜ヶ崎市など2市2町のごみを処理する城取清掃工場は71年に操業を開始、焼却炉の構造上、 不完全燃焼を起こしやすく、老朽化も進んでいる。95年に「過去10年間の住民のがん死亡率
は工場の半径1キロ以内で42パーセントで、その外側の住民の2倍以上」との調査結果が発表 され、ダイオキシンに対する不安が高まった。96年、摂南大学の宮田教授が工場周辺60個所
の土壌を調査したところ、土壌1グラム当たり最高で250ピコグラムのダイオキシンを検出。 これは環境庁が「汚染されていない地域の水準」定めるレベルの125倍の高濃度。だが、県と
工場が行った調査では0.45〜0.9ピコグラムと、大きく食い違った。97年11月、地元 住民団体は「汚染は一般的な環境濃度レベル」とする工場に対し提案停止を求める行政訴訟に
踏み切った。今年6月には宮田教授が「工場周辺の住民の血液から最高で463ピコグラム (血液中脂肪1グラム当たり)のダイオキシンを検出」と発表。この結果を重く見た県は土壌
調査と住民の血液検査や健康調査を行う事を決めた。工場は現在も稼動中で、付近に建設中の 新焼却炉が完成後閉鎖する予定。 上に戻る |
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岡山県久米郡中央町(不法投棄された産業廃棄物) |
不法投棄の産廃焼却灰から国内最高値のダイオキシン
山間に野焼きした焼却灰や灰電線、鉄くず、ドラム缶、ビニールシートなど役100トン が野ざらしになっている。中央町の調査で、98年6月、1グラム当たり2万5000
ピコグラムのダイオキシンが検出された。土壌からの検出値としては国内最悪。約150メートル 離れた休耕田そばからも1200ピコグラムを検出。野焼きが始まったのは88年で、業者は
廃電線を焼いて中の銅線を売っていた。現場から500メートル西には集落があり、井戸の水 が濁るなどの被害がでて、住民の苦情で90年に野焼きをやめたが、廃電線や焼却灰は放置したまま。
県議会で問題となり、ダイオキシン調査が行われた。現在は業者が廃業したため、県は土地所有者 に撤去するよう通知し、周辺の土壌と水質検査を早急に行うことを決めた。また、現場では別の
産廃業者が焼却炉を建設するため、97年末から基礎工事を始めていた。98年3月、農地の転用 許可を得ていないことが分かり、県が工事の中止と現状回復を指導した。地元では「はやく撤去して
ほしい。つい先日も大阪で焼却灰の山が一晩のうちになくなったとかで、この辺に棄てられたのでは ないかと、県警のヘリが捜索していた」と、ごみがごみを呼ぶことへの不安が募っている。 上に戻る |
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東京都西多摩郡日の出町
(谷戸沢廃棄物処理場周辺) |
国内最大のごみ処分場周辺ではガン死亡率が全国平均の3倍
東京・多摩地域の27市町のごみ焼却灰や不燃ごみを埋め立てる最終処分場がある。搬入量は
1日平均700トンで、内陸型としては国内最大級。84年に開場した谷戸沢廃棄物処分場が 満杯になり、98年4月から付近の二ッ塚処分場に搬入されている。92年に民間研究機関の調査
で、「処分場の底の汚水遮断ビニールシートが破れ、有害化学物質が地下水に漏れ出している」 との疑惑が表面化し、反対運動が広がった。処分場を運営する東京都三多摩地域廃棄物広域処分
組合は「地下集排水管や井戸の水質をモニターリングしているが、問題は出ていない」と否定。 だが、98年4月にあらたな疑惑が浮上。市民団体が「焼却灰が飛散し、住民の健康に影響を
与えている」として厚生省に指導を要請したのだ。谷戸沢廃棄物処分場の南西にある玉の内 集落では人口当たりのガン死亡者数が全国平均の3倍に達する。この地域特有の「谷沢おろし」
という風に乗って、焼却灰が玉の内集落に達するためではないか、という。処分組合は「灰は 湿らせて搬入し、上に土をかぶせるので飛散しない」と説明。日の出町役場では去年6月、
処分場周辺を含む町内約30箇所で土壌、大気、水のダイオキシン調査を実施、終わり次第 報告する。 上に戻る |
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山梨県山梨市
(ごみ焼却施設「市環境センター」周辺 |
2000トンもの汚染された焼却灰が野積み
敷地内に焼く2000トンものごみ焼却灰が野積みされている。97年三月の調査では、一グラム中 45ピコグラムのダイオキシンを検出。85年の稼動以来、焼却灰の野積みを続け、一時は一万トン
を超えた。廃棄物処理法では焼却灰は汚水処理施設などを備えた管理型最終処理場で処理するよう 規定しており、このような管理は違法。97年六月、センターを含め県内六つの公共焼却施設で
同じような違法管理をしていることが発覚し、問題になった。この背景には市内に最終処分場が ないため、民間業者や他の自治体に委託するしか方法が無いという事情がある。県内に最終処理場
が二箇所あるが、他の市町村から焼却灰を受け入れる余裕はない。「97年十月から7000トン 以上を県外の最終処分場に運び出している。写真はその作業中の様子。全部撤去後は、焼却施設
から日常的にでる焼却灰は容量役300トンのアクリル製ストックヤードに一時保管し、一定量 たまった時点で搬出するという方法をとる。県では明野村に管理型最終処分場の建設を計画しているが
住民との交渉に難航している。 上に戻る |
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長野県松本市(野焼き同然の焼却を続ける処分場) |
産廃「無法」地帯をカメラが告発
「下水道汚泥から作られるリサイクル堆肥」が豊かな土壌をつくるはずだった国営農地 には、甚だしい数の使用済みの生理用品や使い捨て浣腸などが散在している。「堆肥」
とは名ばかりの下水道汚泥が投棄されている国営農地。 長野県松本市へゆくと、産業廃棄物処理場を囲むように新興住宅地が広がる中山地区がある。 処理場は周囲を巨大な廃棄物の山で囲まれ、内部の様子はうかがいしれない。業者は「うちは
10年以上も前から操業を始め、その後で周囲に住宅が建ち始めた。施設があるのに住宅開発 を許可した行政に問題はないのか」と非難に困惑する。焼却炉は連続運転ではない。
ダイオキシンは火を落としてからの埋火事に猛烈に発生する。夕方火を落とした焼却炉 からいったん炉の前にかきだされた廃棄物は、翌朝もまだ、くすぶり続けていた。 上に戻る |
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香川県小豆郡庄町豊島(産業廃棄物処理場) |
周辺海域の魚介類からダイオキシンが検出
瀬戸内海に浮かぶ豊島の西端には、78年から十なん年間にわたり、50万トンもの産廃が 不法投棄された。現場は国立公園の区域内に位置。産廃や土壌、水からは、鉛、水銀、砒素、
有機塩素系化合物など、様ような有毒物質が高濃度で検出された。焼却灰などを含む産廃物層 から検出されたダイオキシンは一グラム当たり3万9000ピコグラムと、国内最悪レベル。
海の底土や牡蠣からも検出された。処理業者(90年に倒産)は事業を「ミミズの養殖」と 偽って島に進出、産廃投棄のほか、シュレッダーダスト(自動車の破砕くず)に廃油や廃溶剤
をかけて野焼きも行っていた。住民は苦情や反対陳情を繰り返したが、90年11月に兵庫県警 が廃棄物処理法違反で業者を摘発するまでの間、県は不法投棄を黙認。住民は93年11月、
産廃撤去と損害賠償を求め、県や業者等を相手に国に公害調停を申請。翌年、国の公害等調整 委員会が2億3600万円をかけて大規模な調査を行った結果、先に挙げた汚染の実態が明らかに
なった。97年7月、県が主体となり、廃棄物を高温融解などで無害化して島外に撤去すること で合意。現在は専門家らの技術検討委員会が具体的な処理法を検討中。 上に戻る |
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福島県広野町
(放置されたままの610トンの廃油, 廃プラスチック) |
放置されたままの610トンの廃油、廃プラスチック類
太平洋に面した断崖の上に、中間処理しせつの跡がある。ここでは以前、化粧品や塗料等を 製造する際に出た廃油などを焼却処理していた。76年から施設の老朽化で操業を停止
する94年まで、約20年にわたり操業。燃え殻を敷地内にずさんに埋め立て処分し続けた 結果、断崖に油分がにじみでて、不気味な縞模様が浮き上がった。現在、敷地内には廃油、
廃プラスチックなど約610トンが放置されたままになっている。県廃棄物対策課は 「廃掃法に基ずく改善命令を発動している。業者の責任において、改善が確実に履行される
よう引き続き指導する」と業者責任での撤去を指導している。しかし、他の産廃業者は同情 もこめて反論する。「撤去費用だけで6000万〜8000万はかかるだろう。そのほかの
諸費用をふくめれば億を超える。現在、操業していない業者にそれだけの体力があるのか 疑問。こうなるまで放置してきた行政も責められるべきではないか。」
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大阪府豊能郡能勢町
(ごみ焼却施設「豊能郡美化センター」周辺) |
三万平方メートルに及ぶ地域が高度の土壌汚染に
豊能郡美化センターは97年の厚生省の排出ガス調査で基準の2倍以上 のダイオキシンが出たため、同年6月に操業を停止。だが、その後の
調査で汚染の実態が極めて深刻とわかり、大問題になった。11月には 隣接する能勢高校の実習農場から土壌1グラム当たり2700ピコグラム
のダイオキシンが検出され、同校は農場への立ち入りを禁止。98年 4月にはセンター無いのいけの汚泥から2万3000ピコグラム、土壌から
8500ピコグラム、半径100メートル以内の土壌で最高3900ピコグラム と、当時国内最高値のダイオキシンが検出された。日本には基準は'ないが、
ドイツでは1000ピコグラムを超えると土の入れ替え等の対策が必要と 定めている。また、厚生省の調査時に排出濃度が低くなるよう、センターと 焼却炉メーカーが共謀し運転を調整、さらには、ダイオキシンが多く発生
する低温度運転を日ごろ行っていたことや、燃えのこりを野積みにしていた ことも発覚。住民は健康調査や水質検査、土壌の入れ替え、農家の被害救済 を要求。府は6月、早急に土壌を撤去するために検討委員会を設置。1000
ピコグラム以上の汚染が確認された地域は約3万平方メートルに及び、 表土の撤去だけでも数億円かかる。
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埼玉県所沢市三富新田地区
焼却施設「くぬぎ山周辺産業廃棄物処理施設」周辺 |
新生児の死亡率が高い産廃焼却施設過密地帯
所沢市、狭山市、川越市、大井町、三芳町の境にある「くぬぎ山」 と呼ばれる雑木林には、半径数百メートル中に16基もの産廃焼却炉が 集中している。所沢インター周辺まで含めると焼却施設は50以上
までにのぼる。焼却炉の増加とともに喉や目の痛み、喘息を訴える 人が増え、異臭や焼却灰で空気が汚れるなど、生活環境も悪化した。 95年12月に摂南大学の宮田秀明教授が行った調査で、焼却場周辺
の土壌1グラム当たり96〜218ピコグラムという、通常の10〜20倍 もの高濃度のダイオキシンを検出。くぬぎ山から約4キロ離れた所沢市内の 航空公園内の土壌からも1グラム当たり104ピコグラムのダイオキシンが
検出され、汚染が広範囲に及んでいる事がわかった。その後も「くぬぎ山 周辺の市町では新生児死亡率が県平均の1.39〜1.64倍」「所沢市 の小中学生のアトピー、喘息は県平均の8倍の年もあった」など、
深刻な実態が次々と明らかになった。そこで所沢市は97年3月、全国で 初めてダイオキシン規制条例を制定。「業者が改善に従わない場合は 事業者名を公表できるが、罰則は無い。より強制力のある条例にする
必要がある」(所沢市ダイオキシン対策室)
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