ヒート・パイプ真空管を利用した排ガス熱回収ボイラーを開発
ヒート・パイプは米国の宇宙科学開発(NASA)にて数十年も前に宇宙 スペース・シャトルの船体の大気圏突入時の放熱用媒体として開発
されたものです。我が社はこの技術を低温排ガス熱回収ボイラーに 利用しました。これにより、従来の排ガス回収ボイラーの概念を 画期的に変えました。ヒートパイプによる熱伝達の効率の良さは
従来の方法とは比較にならない程素晴らしく、200°C から 400 °C の排ガスから瞬時にして熱を吸い取りスタートからの蒸気圧の 立ち上がりはたったの十五分という早さです。
熱伝達の原理ヒート・パイプが何故この様に素晴らしい熱伝達をするのかは
一口に言って真空管内にある水の蒸発熱を媒体としているからです。 従来の方法はボイラー缶体内の水管または煙管の管壁を通して排ガスの熱が ボイラー水に伝わっていました。この方法ではガス温度が低いと
効率が大変悪く、ボイラーの伝熱面積は普通のボイラーの場合より 何倍も大きくとらねばならず、コストが大変割高についていました。 ヒート・パイプの真空状態での水の蒸発熱を使えばこの問題を一気に
解決しました。また、ボイラー価格もずっと安くなった訳です。
この写真はインドネシアにある日系の繊維工場 PT. INDONESIA ASAHI
CHEMICAL(INDACI)に据えたヒート・パイプ排熱回収 ボイラーです。発電機は新潟鉄工のもので三基合計で3800
KWの出力です。 この排熱回収ボイラーで 2.5 トン・毎時の蒸気を出しています。
排ガス熱回収ボイラー
ヒート・パイプ一本一本がそれぞれボイラーの働きをしている訳ですから このボイラーはボイラーの中に百数十本のボイラーを内臓している
設計と考えてください。
省エネ計算例 (PT. INDACI の場合)
排ガス回収ボイラーの場合、燃料がただですので計算は簡単です。
貴社の現在の蒸気コスト(円・トン当) X 2.5 トン・毎時 = 一時間当たりの省エネ額
既存ボイラーの排ガス熱回収
貴工場が使用しているぼいらーの排ガス温度をチェックしてみてください。 もし250-300°C あるようでしたら、是非熱回収ボイラーを後方に設置
してボイラー出力蒸発量の約一割の蒸気を取ることが出来ます。硫黄の心配 が無ければ排ガス温度を180 °C 以下にさげて回収率を上げられます。 |